「解っていなかった自然換気セミナー」での発表

2/27 日本女子大学 新泉山会館にて「解っているようで解っていなかった自然換気」のセミナーが行われ、自然換気システムの運用法について発表しました。発表者は私の他に日本女子大学 細井先生、建築研究所 西澤氏、LIXIL 野中氏、YKKAP 直井氏、三協立山 高橋氏などです。(セミナー詳細 https://www.jjj-design.org/lecture/190227tokyo/)このセミナーはIBEC自立循環プロジェクトの成果報告会で、自然換気に関するブックレットが無償で配布されました。多くの知見がまとめられていますので、興味のある方はIBECにお問い合わせください。

 

私が発表したのは自然換気システムがクレームによって運用時間が低減してしまう現状に対して、どのような点に配慮すべきかということについてです。近年の建築は機械空調が前提とされているため、機械空調で年間を通して室内環境制御が可能です。しかし、空調システムはエネルギーを消費して人工的に環境を整える「強い技術」であり、それに頼りすぎることは快適性とエネルギー消費の相反関係を強めていくことになります。やはり、自然換気で環境制御できるような風通しの良い建物とし、庇や外皮性能で外部からの負荷を低減し、高効率な器具の採用により内部負荷を削減することが、快適性と省エネルギーの最適化に配慮した環境建築の基本ではないでしょうか。エネルギー消費は最低限ですむような建物計画とその運用にまずは取り組むべきと思います。その上で高効率な空調設備システムを導入するべきと考えます。私自身は空調設備設計を長年やってきた空調設備の専門家ですが、やはり建物とそこに住まう人が本来持っている環境調整力が大事であると常々考えています。

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