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2023年
7/11 台湾成功大学 潘先生の研究室と山本研究室で研究交流会を実施させて頂きました。
7/1 特別講義「建設業界におけるカーボンニュートラルへの取り組み」(講師:大林組 伊藤剛様)を実施頂きました。
6/17 特別講義「カーボンニュートラル・SDGsへの取り組み最前線」(講師:CSRデザイン環境投資顧問㈱ 堀江隆一様)を実施頂きました。
6/2 R&R建築再生展2023 特別セミナーにて発表させて頂きました。講演テーマ「集合住宅における感染対策とテレワーク対応」
6/1 空気調和・衛生工学会 第37回技術振興賞を受賞しました。受賞業績「環境を制御するコンクリートダブルスキンにおける性能検証」
4/1 厚木市複合施設実施設計・施工業務に係る技術提案書特定員会委員としての活動により、厚木市長より感謝状を頂きました。
3/22 2022年度_第3回サーマルマネキン関連研究」 に関する合同研究集会を開催しました。
3/20 2022年度_新型コロナウイルス感染対策研究課題」 に関する合同研究集会を開催しました。
2/13 台湾出張にて台北科技大学・国立成功大学を訪問させて頂きました。
2022年
2/21 オンライン国際研究集会 “International Workshop on Infectious Disease and Airflows
around Human Body”(感染症と人体周辺の気流に関する国際ワークショップ)を開催しました。
2021年
12/31 日本女子大学にて「建築設備Ⅰ」(オンライン)の非常勤講師をさせて頂きました。(2021年度のみ)
7/16 名古屋大学大学院「環境建築学特別講義」(オンライン)にて2日間に渡って非常勤講師をさせて頂き、新型コロナ感染対策・ZEB・自然換気システム等について講義をしました。
1/1 学内広報誌「えんのき」で新型コロナウイルス感染防止対策の研究について紹介して頂きました.
2020年
11/1 山本が執筆協力した「人生100年の家づくり」(X-Knowledge 社)が発売されました.
10/24 新潟工科大学 風・流体工学研究センターと東京工芸大学 風工学研究センターで研究交流会を実施しました.
9/24 山本が建築設備コミッショニング業務を行ったNHK新大津放送会館が竣工しました.
7/1 共同執筆した建築設備の教科書「基礎講座 建築設備」(学芸出版社)が発売されました.

建築環境計画研究室について

私の研究フィールドである建築環境工学は歴史のある研究領域であり、これまでは人生の90%を過ごすと言われる室内環境の快適性や健康性について精緻に研究されてきました.しかし、以前は補助的な環境制御装置であった空調設備システムの技術革新や、地球環境問題・化石エネルギー枯渇問題の深刻化、都市に住む人の健康性への配慮などの時代背景から、建築で扱う「環境」の意味も建物内から地球環境まで拡大し、建築環境系の研究室で扱うテーマも多岐に渡っています.その中で、私の研究室では室内快適性・健康性の確保とエネルギー消費量削減を両立する環境建築の実現を目指して研究に取り組んでいます.

室内快適性・健康性とエネルギー消費

室内快適性と建築のエネルギー消費は、今では相反関係(トレードオフの関係)にあると言われていますが、昔の建物においてはエネルギー消費量そのものが小さく、自律的に環境を制御する機能を建築が備えていたということもあって、その関係性は今よりずっと弱いものでした.良い室内快適性を確保するために多くのエネルギー消費が必要であるという関係性は、建築環境に配慮しない建築の出現がそれを強くしたと言えます.例えば、窓の開かない開口部、庇のないガラス建築、過剰な気密性を持つ外壁は、多くの負荷を室内に溜め込み、外部に排出するのに機械的なエネルギーに依存することになります.空調設備設計者の視点からは、強制的に室内環境を維持することができる「強い技術」としての空調設備システムがこのような建築が成り立つことを許したのではないかと感じます.
環境建築を実現するためには、まずこの関係性を弱めることが第一であり、その後に高効率な空調設備システムによる環境制御を考えるべきです.極端な話、空調負荷を減らすためには窓をなくす、安定した地下に建物を作ることも考えられますが、人は自然や外部環境との断絶を望んではいないということを前提に、快適性を軸として自然環境と室内環境の狭間のデザインを考えることが重要と考えています.

将来を担う環境・設備エンジニア・デザイナーの育成

私は11年間に渡り、新築建物の設計実務に携わってきました.持続可能な社会の実現が喫緊の課題となっている今こそ、志の高い環境・設備エンジニア・デザイナーの重要性が高まっていると感じています.私の研究室では、環境・設備エンジニア・デザイナーへの素養として環境と設備に関する幅広い知識と技能を取得し、進歩への対応力と広い技術的視野を獲得することを教育上の目的としています.
R.バンハムは技術者の専門性への極度のこだわり・技術の追求が建築そのものに大きく影響を与えたことに注目しており、技術者も一種の建築家と言える側面がある、と指摘しています.この研究室の卒業生が、様々な分野でその技術的こだわりを発揮し、環境性能の高い建築の実現を通して持続的社会の実現に貢献してくれることを期待しています.

研究室のミッション

私の研究的専門は自然換気システムを中心とした建物内外の風環境です.建物外皮周辺の風環境から換気としての建物内の風の流れまでを研究し、風をデザインする試みを行っています.また、実務経験で培った経験から先端的な空調システムの設計や建物のエネルギーマネジメントも重要な研究テーマとしており、特に実運用データの解析や運用フェーズのコミッショニングに取り組んでいます.これらの研究テーマを建築計画と環境設備計画の両面から統合し、ZEB(Net Zero Energy Building)をはじめとした環境建築の実現と一時的な快適性ではなく生涯尺度で評価される健康的な室内環境の実現を目的としています.

このように建築環境計画研究室では、建築と環境設備の統合的視点から環境建築に対する実践的研究に取り組み、持続可能な社会の実現という明るい未来を目指して、研究成果を社会に発信し続けていきます.

2019年5月