学長挨拶
拠点リーダー挨拶
メンバー紹介

 

本プログラムの目的
拠点形成の目的

 本拠点では,都市や建築物の強風災害から,通風・換気の問題,汚染物拡散など,気流と都市・建築物に関わる諸問題についての研究・教育を行います。設計風速の評価,合理的耐風設計法の確立,強風時風応答モニタリング,都市建物群防災システムの構築,自然通風エネルギーの高度利用のための通風設計法,環境負荷の少ないサステナブル社会の実現化,シックハウスや人体周り空気環境問題,建物近傍汚染物排出問題,都市域での空気汚染問題等を取り扱っていきます。
 本拠点は本学風工学研究センターWind Engineering Research Centerを中核として形成され,将来は風工学専攻としての独立を計画しています。アジアで唯一の研究拠点であり,台風等による人的・物的被害が多発し,空気汚染問題も深刻な発展途上国の多い当該地域での重要性は極めて高いと考えます。都市・建築物へのウインドイフェクトに関する研究教育を積極的に推進するだけでなく,APEC諸国強風防災センター APEC Wind Hazard Mitigation Centerの設置,APEC風研究者ネットワーク APEC Wind Engineers Networkの構築などにより,人材交流,情報発信を行い,災害低減・環境保全に寄与していきます。
 COEの中核をなす風工学研究センターは,風洞7基を有し,教授5名,助教授1名,講師1名で構成されています。構造分野から環境分野にわたる研究者が有機的に活動し,世界的水準の研究者との共同研究,PD,RAの受け入れなどを積極的に推進しています。耐震や防災と違って,風の影響(ウインドイフェクト)に関する研究センターはユニークで我が国では例を見ません。海外でもカナダ・ウエスタンオンタリオ大学,米国コロラド州立大学などが挙げられるのみで,アジアでは唯一の研究拠点です。
 世界の自然災害による経済的損失の85%は強風災害であり,これらの低減は,超高層建築物 が林立する大都市や木造家屋主体の高密度住宅地を抱える日本やアジア地区では特に重大です。通風設計法の開発も,運用エネルギーを削減し,地球環境に与える負荷を軽減するもので,国家レベルの重要課題と言えます。人類に重大な影響を及ぼす空気汚染の問題も,特に人口密度の高いアジア地域においては極めて深刻な問題です。

研究拠点形成実施計画

 設計風速の評価,建築物に作用する風力の特性把握と風応答予測手法の確立,応答モニタリングシステムおよび強風災害低減システムの構築と提案(耐風構造分野),自然通風エネルギーの利用促進のための通風開口部設計法の開発(通風換気分野),都市および建築物内の空気汚染防除手法の確立(風環境・空気汚染分野)などに取り組むとともに,PD等の人材増強や研究設備の増強を図っていきます。また,APEC諸国強風防災センター,APEC風研究者ネットワーク,風工学情報技術室 Technical Information Center for Wind Engineeringによる電子風力風圧データベースの公開など社会への情報発信も積極的に行っていきます。

教育実施計画

 風工学研究センター内にAPEC諸国強風防災センターおよび風工学情報技術室を設置し,風工学に特化した人材教育活動と国際的な情報発信を展開します。

  • 都市・建築物へのウインド・イフェクトに関する教材作成とIT利用コンテンツの作成
  • 風工学に関する優秀な学生を社会に輩出するための研究OJTの実施
  • APEC諸国の技術者・研究者の養成と,国情にあった強風防災技術の開発移転
  • 社会人に対する教育を促進し,風工学に関する情報を社会に還元するための社会人課程推進
  • 国際的な人材交流を促進し,国際的リーダーシップを発揮できる人材を育成するための国際共同研究,国際セミナーの主催

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