長者丸の集合住宅 (2017)

  GOOD DESIGN AWARD 2020

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Photo : HIROSHI UEDA

Photo : GO TAIRA

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東京都心部の閑静な住宅地に計画された集合住宅である。ドライエリアを備えた1階に2住戸、駐車スペースにより半階ずれた形で2階に2住戸、最上部の3−4階に、下階の半階ずれた構成を利用しスキップフロア構成のオーナー邸1住戸の合計5住戸を計画した。

 

敷地条件上、前面道路から奥側の2住戸を、大きなドライエリアを設けながら地盤面より1.4m下げることにより、敷地に対する最大の住戸面積を確保している。周辺の環境は良好で、周囲に対しての距離も取れる敷地であったことから、自由な間取りで周囲に対して開く住戸構成が導かれた。共用部分の階段とEVを擁するコアを中心として各辺から四方に構造壁のラインを各1本ずつ定め、敷地境界と平行な構造壁を一切設けない構成としたことにより、全体としてスラブが強調されるデザインとなった。スラブは要所要所で跳ね出し住戸周りのテラスとなり、開放的な住戸の内外の関係を豊かにしている。

 

構造的には上記のコアと各辺に対する構造壁ラインは各階で揃えているが、その他の構造壁は上下階で必ずしも一致していない構成となっているが、逆梁の細かな小梁を縦横に配した厚み350mm(仕上を含め400mm)のワッフルスラブにより構造壁同士の力を伝え、基礎へ導いている。外周部の直径100φの細い鉄骨柱はスラブ端部の長期たわみを抑える役割のみ果たしており、住戸内外のつながりを阻害しない。

 

各住戸内部のデザインは全て異なる素材や色を選択し、場所に応じて外部との関係等を考慮しつつ異なる雰囲気でまとめた。スラブ端部はセパレート割りを見せない型枠にて平滑なコンクリート打ち放しとし、住戸の天井となるスラブ底面の一部には杉板型枠による打ち放し仕上げとし、室内の木質を基調とした素材感との統一感を持たせた。住戸外周には半透明のカーテンと遮光カーテンをめ巡らすことができ、住居内外の関係を住民自らが自由に、場所ごとに設定できるよう工夫している。

 

※ 遠藤建築研究所との共同設計

DATA

 

■建築条件

所在地  :東京都品川区

主な用途 :共同住宅(オーナー住戸付き集合住宅)

敷地面積  :458.15m2

用途地域 :第1種低層住居専用地域

その他   :第1種高度地区、日影規制4h/2.5h(1.5m)

品川区みどりの条例による敷地内緑化、接道部緑化

■建築概要

建築面積 :299.69m2

延床面積 :845.54m2

構造・規模 :RC造・地上4階

設計期間 :2015年10月〜2016年10月

工事期間 :2016年11月〜2017年12月

 

意匠設計 :遠藤克彦(遠藤克彦建築研究所) +八尾廣

構造設計 :佐藤淳構造設計事務所 佐藤淳、シンギ・

      タリラ

設備設計  :有限会社 Comodo設備計画 山下直久

施工    :株式会社 辰