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中部日本プラスチック 新工場 全体配置デザインディレクション (2017)

 浜松に本拠地を置く再生プラスチック製造のグローバル企業である中部日本プラスチックの新工場建設の全体配置計画を行った。社長の雪下氏は、今後この企業が生産するプラスチックが生分解プラスチックに転換してゆく時、プラスチックはかつてのような環境を汚染するマテリアルではなく、自然の循環に組み込まれるという素晴らしいビジョンをお持ちであり、そのビジョンに大いに共鳴し、新しい工場のデザインに取り組んだ。新工場のデザインには企業と、生産品である自然に優しいプラスチックのイメージを世界にアピールすることが求められた。当初より、この計画はランドスケープデザインが鍵となるとみて、オンサイト計画設計事務所の三谷さん、戸田さんをクライアントにご紹介して共同で全体の配置計画を練った。敷地には工場の他に巨大な倉庫を配置する必要があり、私たちは全体を公園のように捉えて、来訪者や社員の憩える中庭をもうけ、建物には縁側のように回廊が巡るプランを提案した。工場を頻繁に走り回るフォークリフトさえ、この”ファクトリーパーク”の一要素として考えた。残念ながら諸事情で私たちは一旦身を引くこととなったが、優秀でこれからの未来を的確に捉える企業のデザインの仕事に関わることができ、大変幸せであった。このプロジェクトの成功を祈念するとともに、可能であれば再度何らかの形で関われればと思っている。

DATA

 

■建築条件

所在地  :静岡県浜松市

主な用途 :工場(基本計画)

敷地面積  :16,469.12m2

用途地域 :市街化調整区域

 

■建築概要

建築面積 :6,057.03m2

延床面積 :4,907.73m2

構造・規模 :鉄骨造・地上2階

設計期間 :2017年5月〜2017年8月

 

意匠設計 :八尾廣+オンサイト計画設計事務所

          (三谷徹、戸田知佐)