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BLUE HOUSE (2007)

 30代のご夫婦のための家。リビングデザインセンター(OZONE)のコンペティションで選定されたプロジェクトである。敷地は都心部にあるが、近隣には小さな家の建ち並ぶ比較的下町の風情を残す地域である。建て主は好奇心旺盛で趣味の多い方であり、料理、DIY他の道具類のほか書籍など、持ち込むモノの量が大変多い方であった。そこで1階と2階の北側壁面をすべて壁面収納として収納量を確保し、居住スペースをできるだけシンプルに広くまとめるよう工夫した。東側の道路にはアルミアングルのルーバー面を設けて2階と3階のデッキを張り出し、室内外のつながりをもたせた屋外空間により、部屋の広がり感を確保した。建物の中央を上がる階段を採光と通風のためのスリットとして建物を東西に分け、それぞれの階高を調整することによって、シンプルな構成の中にもいろんな視点の変化、スペースの広さの抑揚をつけて、多様な空間体験ができるようにした。仕上げの色にもこだわり、長く飽きのこないセンスの良い色を建て主と共に選び、シンプルな構成の中に遊びの要素と活気をもたらした。

 設計者としてはいろいろな意味で学ぶことの多かったプロジェクトであったが、施工会社の熱意あふれる丁寧な仕事もすばらしく、建物完成時の建て主の笑顔に、関係者一同の喜びもひとしおであった。建て主ご夫婦がこの家をどのように住みこなしていかれるか、これからがまた楽しみでもある。

DATA

 

■建築条件

所在地  :東京都品川区

主な用途 :住宅

敷地面積  :46.33m2

用途地域 :第1種低層住居住居専用地域

 

■建築概要

建築面積 :27.71m2

延床面積 :71.83m2

構造・規模 :木造・地上3階

設計期間 :2006年5月〜2007年5月

工事期間 :2007年6月〜2007年12月

 

意匠設計 :八尾廣建築計画事務所
      (八尾廣+庄司光宏)

構造設計 :長坂設計工舎 長坂健太郎

設備設計  :八尾廣+庄司光宏

施工     :高政工務店